1437人が本棚に入れています
本棚に追加
布施はフゥ…と息をつき、目を伏せた。
いっそ、気持ちを伝えたなら、あいつはなんて言うだろう?
そう思い、ふと理沙の告白とそれに対する返答を思い起こした。
女子大生からの告白に、
『……だけど、僕がなんて答えるか、きっと君には分かっているよね?』
そう答えた広瀬。
そうだな、きっと俺が想いを告げても同じように言うんだろうな。
『お前は俺がなんて答えるか、分かってるだろ?』
きっとそう言いそうだ。
「あの……『救ってほしい』なんて、布施さん、なにかつらいことがあるんですか?」
心配そうに身を乗り出してそう尋ねた亜美に、布施は笑みを返した。
最初のコメントを投稿しよう!