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――――…
「……亜美、連絡もなく遅いわね」
二階リビングの壁掛け時計に目を向けながら心配そうにウロウロする円香に、
「ああ、さっき布施から『娘さんをお食事に誘いました』ってメールが来たから大丈夫だよ。
本に夢中になってて伝えてなくてごめん」
一人掛けのソファーで脚を組んで座っていた楓は手にしていた本をパタンと閉じた。
「えっ?
どうして亜美が布施さんと?」
不思議そうに小首を傾げる円香に、楓はクスリと笑った。
「さあ、亜美の好奇心レーダーが布施をキャッチしたんじゃないかな」
「まぁ、なにはともあれ、布施さんと一緒なら安心ね」
「そうだね」
そう言って口元に笑みを湛えた楓に、
「楓くんは本当に布施さんのことを信用してるのね?」
と少し楽しそうに顔を覗き込んだ。
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