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私の小さな葛藤をこうも簡単に打ち消してくれる。
「楓くんはやっぱり、今も昔も『凄い子』だわ」
真っ赤になってそう告げた円香に、
「あの頃よりタチが悪くなってるけどね。
今すぐ円香のすべてを奪いたい」
「か、楓くん」
「でも、それは我慢するよ。今は」
そう言って魅惑的に微笑んだ楓に、
「……オ、オトナ楓くんは更に凄いわ」
そう言ってノックアウトされたようにストンと胸に顔を埋めた円香に、楓はアハハと楽しげに笑って優しく抱き締めた。
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