【旋 律】後編 第十章

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  改めてそう感じ、優勝の挨拶にと再び壇上に立つ広瀬を眺めながら、目頭が熱くなっていた。 「やん、カッコイイ!写メ撮ってもいいのかな?」 「怒られるって!終わったら撮らせてもらおうよ」 とミーハーな声が周囲からヒソヒソと聞こえて来る。 有名進学校の生徒で、あの端正な容姿だ、騒がれても仕方ないだろう。 あいつは男子校で本当に良かった。 ……共学だったら大人しく勉強も出来なかったかもしれない。 ミーハーな女子高生達の姿にそんなことを思っていると、広瀬は会場を見回して一礼をした。
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