【旋 律】後編 第十章

20/37
前へ
/37ページ
次へ
. ――――… 「亜美ちゃんと話していると、色んなことがスカッとして目の前が明るくなる気がするな」 楽しげにそう言った布施に、亜美は「ありがとうございます」と笑みを見せ、その後にモジモジと目を伏せた。 「あの……私も相談に乗ってもらっていいですか? 布施さんは心理学の先生なんですよね?」 「もちろん、俺でよければ。 亜美ちゃんからの相談ってのも興味があるな」 布施はそう言って少し身を乗り出し、頬杖を付いた。 「ええと、ちょっと言い難いですけど彼氏とのことなんです」 「薫くん?」 「――はい。 私たち付き合って結構経っていて、私は薫のこと大好きなのに、未だに身体を受け入れることができなくて……。 私、ちょっと変なのかな?って思ったりするんです」 亜美は恥ずかしそうに頬を赤らめながらそう告げて俯いた。  
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1438人が本棚に入れています
本棚に追加