【旋 律】後編 第十章

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  布施は、ふぅん、と声を漏らし、ゆっくりと腕を組んだ。 「亜美ちゃんはいくつだっけ?」 「19になったばかりです」 「そう、19なんだ」 天然記念物みたいな子だな、と布施は思った。 「変じゃないよ。答えは簡単」 「えっ?」 「薫君のことは好きだけど、信用はしてないんだよ。 違うかい?」 サラリと核心を突いて来た布施に、亜美は虚を突かれたように目を開いた。 『好きだけど、信用してない』 まさに、そうなのかもしれない。    
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