【旋 律】後編 第十章

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  「ご心配なく、お父様。 アタックする気なんてサラサラないから。 ってか、あの子にアタックできる勇気はねぇよ。 あの子には無鉄砲で無謀な薫君がマジでお似合いだと思うな。 並の男なら絶対に自分の器と比較して凹みそうだ」 シミジミという言った布施に、 「うちの無鉄砲で無謀な薫すら亜美の器の大きさに凹んでたよ」 と楓は肩をすぼめた。 「へー、あの薫君がねぇ」 「今はあれこれ自分磨きに精を出してる」 「それもまた、さすが亜美ちゃんだな」 「すっかりファンだな」 「勿論、俺も二人の恋愛模様を楽しみにしてるよ」 「ついにお前まで巻き込まれたな」 「本当だな」 二人は顔を見合わせてアハハと笑い合った。  
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