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「――以上、思い出作り話でした」
高級和食亭の個室でそこまで話し切った布施はニッコリと笑みを見せた。
「えっ?今の作り話なんですか?」
今までの話を食い入るように聞いていた亜美は夢から覚めたように目を開いた。
「まぁ、起こった出来事は本当にあったことだけどね。
若い女の子ってBLとか好きらしいし思い出話に脚色を加えたんだよ。
どうだった?なかなかだっただろ?」
そう言ってニッと悪戯に口角を上げた布施に、亜美は『本気にしたのに』とブスッと口を尖らせながらも、
「――でも、布施さんがお父さんをずっと見守っててくれたのは本当みたいだから、許してあげる」
と眩しい笑顔を見せた。
「それはそれは」
布施はそう言って愉快そうに目を細めた。
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