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布施は『ふぅ』と息をつき、解放感に柔らかく目を細めた。
何もかもが軽くなったと、感じていた。
今まで重いものを胸に詰めて来ていたんだ。
パンパンに詰めて詰めて、苦しくなっていたんだな。
「あー、スッキリした。
お前も結婚して幸せになったし、俺も前進しなきゃな」
そう言って身体を伸ばした布施に、楓は何も言わずに笑みを返した。
「でも、心惹かれるような女ってなかなかいねぇんだよな。
もしかして俺、女の体だけが好きなのかもしれないな」
露骨な言葉に「まったく、相変わらずだな」と楓は顔をしかめた。
「それにしても、亜美ちゃんは本当にすごい子だな。
もっと若ければ、絶対にアタックしたなぁ」
「何言ってんだよ」
眉をひそめた楓に、布施はプッと笑った。
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