【旋 律】後編 第十一章

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  「そうね、スカッとテニスしたいよね!どこでするの?」 「借りたコテージの近くにあるんだ」 その言葉に亜美は更に目を輝かせた。 「今日泊まる宿って、コテージだったんだ!」 「ああ、なかなかいいだろ?」 「うん、最高!」 亜美は興奮気味にそう言った後、チラリと薫を見て笑みを浮かべた。 「あのさ、薫と私って似てるよね」 「似てる?」 「うん、楽しいと思うところとか、趣味とか……何て言うだろうツボが一緒なのよ。 前にお父さんに憧れて恋をしていた時に、薫と関わって、お父さんと薫だったら格段にお父さんの方が素敵なのに、私は薫に惹かれたのは……何て言うのかな、根の部分で惹き合うものがあったんだと思うの」 そう言った亜美に、薫は「なるほどなぁ」と笑った。 「確かに俺はすげぇ引力で、亜美に惹きつけられたよ。 ……自分を変えるくらい」 そう言ったあと息をつき、表情を曇らせた薫に、亜美は『ん?』と眉を寄せた。
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