【旋 律】後編 第十一章

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  「それにしても今日の布施君、なんだかいつもと違うわ。スッキリしたいい顔してる」 と布施を見ながらシミジミそう言った裕子に、 「そうか?」 と布施は小首を傾げながらも、自分が楓に告白して心が軽くなったことを思い起こした。 ―――ああ、きっとそのせいなのかもしれない。 「最近、失恋したんだ」 明るくそう告げた布施に、裕子は驚いたように顔を上げた。 「えっ?失恋?」 「多分、それでいい顔してるんだろうな」 スッキリとした表情で、少し楽しそうに告げた布施に、裕子は顔をしかめた。 「言ってることがよく分からないわ」  
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