【旋 律】後編 第十一章

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  「まぁ、そんなブス・スタイルじゃ出会いもねぇよなぁ」 「……ブ、ブス・スタイル?今、あなた酷いこと言ったわよ?」 目を丸くして身を乗り出した裕子に、布施は露骨に眉を寄せた。 「だってそうだろ、そんなダセぇ格好だったら職場でも男は近付かねぇよ。 髪ひっつめるくらいなら、バッサリショートにしちまえよ。 そして目も分からないようなダサい眼鏡かけてるくらいなら、コンタクトにしろよ」 「わ、私は布施君みたいな、『女は見た目主義』の男を軽蔑してますから」 ムスッとして口を尖らせた裕子に、布施は呆れたように目を細めた。 「あーあ、始まった。 人のアドバイスも聞けないのは中身もブスだぜ。 見た目が全てじゃなくても、見た目は印象の入口だろ」 「私はこれでいいのよ。今更このスタイルを変えるなんてできないし」 裕子は目をそらしながら、自嘲気味にそう言った。
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