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「まぁ、そんなブス・スタイルじゃ出会いもねぇよなぁ」
「……ブ、ブス・スタイル?今、あなた酷いこと言ったわよ?」
目を丸くして身を乗り出した裕子に、布施は露骨に眉を寄せた。
「だってそうだろ、そんなダセぇ格好だったら職場でも男は近付かねぇよ。
髪ひっつめるくらいなら、バッサリショートにしちまえよ。
そして目も分からないようなダサい眼鏡かけてるくらいなら、コンタクトにしろよ」
「わ、私は布施君みたいな、『女は見た目主義』の男を軽蔑してますから」
ムスッとして口を尖らせた裕子に、布施は呆れたように目を細めた。
「あーあ、始まった。
人のアドバイスも聞けないのは中身もブスだぜ。
見た目が全てじゃなくても、見た目は印象の入口だろ」
「私はこれでいいのよ。今更このスタイルを変えるなんてできないし」
裕子は目をそらしながら、自嘲気味にそう言った。
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