【旋 律】後編 第十一章

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  「ばっ、ばっかじゃない?どこまで、自惚れてるの?」 「自惚れやすいタイプではあるけど間違ってはないと思うぜ。お前、俺のこと好きだろ?」 そう言って真っ直ぐに見据えた布施に、裕子は動揺したようにアタフタした。 「どうせなら、好きな男に抱かれたいんだろ? 明日うちに来いよ。 その髪をスタイリッシュにカットして、もっと爽やかな格好で来いよ。 うちの住所はこれだから」 布施はそう言ってプライベート用の名刺をテーブルに置き、席を立った。 「待ってるな」 クスリと笑って歩き去った布施の背中を呆然と眺めながら、 「ま、待ってるって」 と裕子は凍りついたように固まっていた。  
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