1409人が本棚に入れています
本棚に追加
.
――――……
早朝に出発した亜美と薫の二人は渓流に立ち寄り、釣りの準備を始めていた。
「私、実は釣りって初めてなの。薫はよく釣りするの?」
手渡された釣竿を眺めながら、物珍しそうにそう言った亜美に、
「最近は、あまりしてなかったけど、子供の頃はよく親父に連れられて、兄貴と3人で釣りに行ったよ」
そう言いながら薫は釣竿をセットした。
「さて、この辺はいわなが釣れるんだ。釣れたら焼いて食ったら美味いんだぜ」
「薫、調理できるの?」
「ああ、テキトーだけどな。亜美は?」
「やったことない」
「っていうか、円香さんは、料理すげぇ上手いけど、亜美は料理とかすんの?」
「一応はするんだけど、今、修行中」
バツが悪そうに肩をすぼめた亜美に、薫はアハハと笑った。
最初のコメントを投稿しよう!