【旋 律】後編 第十一章

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  口は立つし手も早いけど、可愛くない女の子は平気で振る。 可愛い子と付き合って、いいだけ色んなことした上に『俺たち、付き合ってなんかないだろ』って平気で言い放つような奴。 男尊女卑の最悪の男で、女の敵。 昔から、そう思っていた。 でも、目が離せなかった。 大人になって、仕事を通して再会した時は本当に驚いた。 有名私大の心理学の講師になっていたのに、ちっとも変わっていなかった。 そして、『久しぶり』と声をかけた私に、平気で『覚えてない』と言い放つところも、変わっていなかった。 私なんて、眼中になかったのだろう。 彼は見た目主義の男、仕方がないと思っていた。 ―――私なんて鼻にもかけないタイプだと思ってたのに。  
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