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ふぅ、と息をつき、布施から渡されたプライベート用名刺をそっと手に取り、その住所を見て、また息をついた。
都内の高級マンションに住んでいることは知っていた。
『お前、俺のこと好きなんだろ?』
ああ、もう!
とクッションに顔を押し付けた。
―――悔しい!
ああ、そうよ、再会してからと言うもの、私はずっと好きだったわよ!
あんな最低男だけど、なんだか知らないけど、好きになってたわよ!
布施くんは気付いてて、今まで気付かない振りをしてたんだ。
なのにどうして、あんなこと言い出すわけ?
興味もない女には、指一本触れないくせに!
32歳で男性経験なしっていう、絶滅危惧種に興味を持ったわけ?
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