【旋 律】後編 第十一章

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. ――――…… 「ひゃー、本当に嘘ついちゃった。 言っても構わなかったんだろうけど、いざとなったら照れる」 亜美は部屋に入るなり吐き出すようにそう漏らし、ドキドキしながら荷造りを始めた。 一泊二日の旅行だし、小さなバッグで十分なんだよね。 タンスの引き出しを開け、自分の下着を見て、うーん、と唸った。 『私の嫌がることはしない』って言ってくれたけど、でも行くからには素敵なランジェリーを身につけたい。 色は何がいいかな~。 亜美は下着を選びながら、そんな自分がおかしくてたまらなくなりクスクス笑い、ドサッとベッドに横たわった。 それにしても薫……ちょっと変だったよね? それとも、あれが道場で鍛えられた結果で『大人になった』ってことなのかな?  
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