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――――……
裕子は緊張に顔を強張らせながらヘアサロンに足を踏み入れ、ドギマギしながら受け付けカウンターに向かった。
「あ、あの……予約していないんですけど、大丈夫ですか?指名とかはないんですが」
そう尋ねるとスタッフはPCを確認し、
「あ、今すぐでしたら大丈夫ですよ。
今日はどうなさいますか?」
「カットでお願いします」
裕子は少し赤面しながらそう言って俯いた。
―――あいつの言うとおりするのはしゃくだけど、この重い頭を後生大事にしても仕方がない。
「どうぞこちらへ」
スタッフに促され椅子に座りるなり、
「あの……似合うようにバッサリ切って下さい」
と意を決したようにそう声を上げた。
「はい、それではスタイリッシュな感じにさせて頂きますね」
と笑顔で頷いた。
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