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……何言ってるのよ、私なんて大した子じゃないよ。
そんなに、がんばってもらえるような子じゃないよ。
亜美はそう言いたかったが、言葉にはならなかった。
ポロポロ涙を零す亜美を薫は抱き締め、2人は互いを強く抱き締めあった。
亜美は薫の腕の中で、そっと見上げて、笑顔を見せた。
「ねっ、薫、手合わせしようか」
「手合わせ?
俺、きっとまだお前には敵わねぇよ」
そう言って苦笑する薫に、亜美は『ううん』と首を振り、
「そうじゃなくて、こういう手合わせ」
背伸びをして薫にキスをした。
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