【旋 律】後編 第十二章

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  ……何言ってるのよ、私なんて大した子じゃないよ。 そんなに、がんばってもらえるような子じゃないよ。 亜美はそう言いたかったが、言葉にはならなかった。 ポロポロ涙を零す亜美を薫は抱き締め、2人は互いを強く抱き締めあった。 亜美は薫の腕の中で、そっと見上げて、笑顔を見せた。 「ねっ、薫、手合わせしようか」 「手合わせ? 俺、きっとまだお前には敵わねぇよ」 そう言って苦笑する薫に、亜美は『ううん』と首を振り、 「そうじゃなくて、こういう手合わせ」 背伸びをして薫にキスをした。  
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