【旋 律】後編 第十二章

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. ――――…… 円香と楓は一日街でデートをし、最後にフレンチレストランでの食事を終え、のんびり散歩するように家路に向かっていた。 「今日は月が綺麗ね」 「本当だ」 見上げる夜空には煌々と美しい満月。 しばし歩くと懐かしい公園が目に入り、二人は足を止めた。 「この公園、思い出深いわよね」 「それじゃあ缶コーヒーでも買って、ここで休もうか」 イタズラな笑みを見せた楓に、円香は小さく笑って「いいわね」と頷いた。 「じゃあ、ベンチで待ってて」 楓はそう言って一本裏手にあるコンビニ向かい、円香はベンチに腰を掛けた。 よく通りかかるものの、この公園に入るのは久しぶりだった。 ……懐かしいな。
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