【旋 律】後編 第十四章

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  ナチュラルで優しい雰囲気の店内を見回し、裕子は感心の息をついた。 「素敵なお店ね」 「落ち着くだろ?」 「ええ」 円香さんって、布施君とどういう関係がなのかな? 裕子がそんなことを思っていると、 「日曜に来るなんて、珍しいな」 と落ち着いた声が耳に届いたと同時に、楓が姿を現した。 裕子はそんな楓の端正な容姿を見て『わあ』と目を開いた。 ……なんて、素敵な人。 布施君もイイ男だけど、彼はなんていうか本当に『素敵』という言葉がピッタリと当て嵌まる。 彼が『会わせたい人』なんだろうか? 裕子は楓を眺めながら、呆けたように目と口を開いていた。  
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