1302人が本棚に入れています
本棚に追加
「広瀬、そこ座ってくれよ」
そう言って向かいの席を指した布施に、楓は小さく頷いて腰を下ろし、
「こんにちは、はじめまして、広瀬楓です」
裕子に視線を合わせて柔らかな笑みを浮かべた。
「あっ、はじめまして、佐伯裕子です」
声を掛けられてようやく我に返りペコリと頭を下げながら、
至近距離で見るとますます素敵で緊張しちゃう。
見たところ二十代後半って感じだけど、布施君とどういう関係なんだろう?
そう思っていると、
「友人の広瀬楓。
元々高校時代の同級生なんだ。今は彼は一大法学部の講師をしている」
と紹介した布施の言葉に裕子は「えっ?」と目を開いた。
最初のコメントを投稿しよう!