【旋 律】後編 第十四章

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  布施君はこの穏やかで包容力を感じさせる広瀬さんを本当に慕っているんだなぁ。 ……もしかして二人だけでゆっくり話したいこともあるのかも。 裕子はふとそんなことを思い、 「円香さん、素敵な温室ですね」 と円香に向かって微笑みかけながら話題を振った。 「ありがとうございます。私の自慢なんです」 「分かります、ここから見てもたくさんの植物がイキイキしていて。 あの…良かったらなんですが、近くで見てもいいですか?」 「どうぞどうぞ、案内しますよ」 嬉しそうに微笑む円香に、裕子も「ありがとうございます」と笑みを返し、 二人は席を立って楽しそうに温室に向かった。  
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