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裕子はそのまま布施と共に駐車場に向かい、戸惑いながら車に乗り込んだ。
いつもながらピカピカに磨かれた黒のアルファロメオ。
本当に布施君らしい車かも。
高級感溢れる革張りシートに身を委ねながら、そんなことを思っていると、
「裕子、朝食ありがとう、美味しかったよ。
冷蔵庫の中にろくな物入ってなかったのに、よく作れたなって感心したよ」
布施は車を発進させながら、そう告げた。
「えっ?ううん、そんな」
彼が素直に礼を言ってくれたことが正直意外だった。
『勝手なことしなくていい』とか言われちゃうかもしれないと思っていたのに。
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