【旋 律】後編 第十四章

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  裕子はそのまま布施と共に駐車場に向かい、戸惑いながら車に乗り込んだ。 いつもながらピカピカに磨かれた黒のアルファロメオ。 本当に布施君らしい車かも。 高級感溢れる革張りシートに身を委ねながら、そんなことを思っていると、 「裕子、朝食ありがとう、美味しかったよ。 冷蔵庫の中にろくな物入ってなかったのに、よく作れたなって感心したよ」 布施は車を発進させながら、そう告げた。 「えっ?ううん、そんな」 彼が素直に礼を言ってくれたことが正直意外だった。 『勝手なことしなくていい』とか言われちゃうかもしれないと思っていたのに。  
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