【旋 律】後編 第十四章

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  何気なくそう思っていると、   「ありがとう……。 でも私、14歳も年上だから、こうやって彼のお友達に紹介されると、どう思われるかドキドキしちゃって」 植物に水を与えながら、少し切なそうに告げた円香に、 ―――14歳? ってことは、円香さんは46歳なの? 「驚きました。 あっ、変な意味じゃなくて、円香さんがお若くて。 だけどお二人を見ていて、なんの違和感も感じませんでしたよ」 心底感心しながら熱っぽくそう告げると、 「ありがとう。 そう言って頂けて嬉しいわ。 裕子さんと布施さんもとてもしっかりしたお二人という感じで、本当にお似合いで」 「い、いえ、そんな」 「これからも夫婦共々よろしくお願いしますね」 そう言って笑顔を見せた円香に、 「は、はい。こちらこそ、よろしくお願いします。 布施君を通して広瀬さんご夫婦のような素敵な方と出会えて、とても嬉しいです」 と裕子は赤面しながらそう言って頭を下げた。  
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