【旋 律】後編 第十四章

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  その後、布施と裕子はレストランに入り、軽くオーダーした。 「円香さんの美味しい料理をたっぷり食べたから、あまりお腹すいてないわね」 嬉しそうに微笑みながらそう言った裕子に、 「彼女は料理上手だからな。俺も手料理食べたくなったら、あの店に食べに行くんだ」 と布施も楽しげに目を細めた。 「今日は広瀬さんご夫婦に会えてよかった。 齢は離れてても素敵な二人ね」 裕子は、寄り添う円香と楓の姿を思い起こし、 あんな夫婦、憧れるな、 と熱い息をついた。 「あの二人はすげえよ。 なんたって14年越しの恋なんだ」 クスクス笑ってそう言った布施に、裕子は「えっ?どういうこと?」と興味深そうに身を乗り出した。  
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