【旋 律】後編 第十四章

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  「お前との会話は楽しいし、例え喧嘩してもすぐに仲直りできるような、そんな楽しい家庭にしような」 ニッコリ笑ってそう言った布施に、裕子は目をぱちくりさせた。 「それだけ?」 「ああ」 「結婚後は仕事を辞めろとか言うかと思った……」 そう言った裕子に、布施は鼻で笑った。 「別に辞めたければ、辞めればいいし、続けたければ続けろよ」 「出産後は?」 「俺は別に、専業主婦が子供にとって幸せだと思わないんだ。 家にいて毛むくじゃらの猫を抱いてだらだらしているのがいいとも思わない。 仕事に関しては裕子の好きにしろよ。 やっぱり家庭は嫁がイキイキしているのが一番だと思うんだ」 布施は家にいて、ストレスを溜めていた自分の母親の姿を思い浮かべ、そう言った。  
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