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「あのね、私が行かなければ、他の誰かで賭けに出たの?」
「さあな。
でも候補はお前以外に挙がってないから、またしばらく出会いの機会を待ったんじゃないかな」
サラリとそう答えた布施に、裕子は少し嬉しくなり、頬を赤らめて微笑んだ。
「ところでどこに向かってるの?」
「紹介したい人がいるんだ」
「……もしかして、親?」
「いや、親よりも先に紹介したい人」
布施はそう言って、笑みを浮かべた。
親よりも先に紹介したい人……。
それは、一体どんな人なんだろう?
裕子は、持ち前の好奇心が疼き、心なしかワクワクすることを感じていた。
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