【旋 律】後編 第十四章

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  「あのね、私が行かなければ、他の誰かで賭けに出たの?」 「さあな。 でも候補はお前以外に挙がってないから、またしばらく出会いの機会を待ったんじゃないかな」 サラリとそう答えた布施に、裕子は少し嬉しくなり、頬を赤らめて微笑んだ。 「ところでどこに向かってるの?」 「紹介したい人がいるんだ」 「……もしかして、親?」 「いや、親よりも先に紹介したい人」 布施はそう言って、笑みを浮かべた。 親よりも先に紹介したい人……。 それは、一体どんな人なんだろう? 裕子は、持ち前の好奇心が疼き、心なしかワクワクすることを感じていた。  
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