【旋 律】後編 第十四章

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  やがて車は住宅街に入り、小さな看板を出している一軒家の前で停まった。 小さな黒板タイプの立て看板には、『leaf』と記されていた。 「リーフ?ここは、お店?」 「ああ、自宅ショップだよ」 布施はそう言って駐車スペースに車を停め、降りた。 「今、自宅ショップって流行っているのよね。素敵だわ」 可愛らしい置き看板を眺めながら、裕子は笑顔を見せた。 玄関のドアノブには『OPEN』の札がかけられていて、布施はインターホンを鳴らさずにカチャリとドアを開けた。 チリンとドアベルが音を立てる。  
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