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「私ね、お父さんとママを見ているから……本当に惹かれあってる二人はどんなに離れても、最後には結ばれるって信じてるの。
だから寂しくて泣くことはあるかもしれないけど、大丈夫、がんばれるよ」
亜美はそう言って、笑顔を見せた。
「……亜美」
楓は心配そうに目を細めながら、そんな亜美の頭を優しく撫でた。
楓の大きな手に頭を撫でられ、亜美はみるみる顔を真っ赤にさせてポロポロと涙を零した。
「お父さん、私……本当はつらいんだけどね。寂しくて不安で苦しいけどね……」
亜美はそう言ってギュッと拳握り、涙を零した。
楓は必死で耐える亜美の姿に切なさを感じながら、何も言わずに、ただ、優しく頭を撫でていた。
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