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――――……
「ええ!?
布施先生と一緒に暮らし始めたぁ?」
編集社のオフィスで隣の席に座る同僚はそう言って目を開いた。
「ちょっと声が大きいって」
シーッと人差し指を立てた裕子に、
「ごめん、驚いちゃって。
布施先生と結婚する話も、正直本当に実現するのかなって思ってたのよね」
ストレートにそう言う同僚に、気持ちは分かるけど、と裕子が苦笑していると、
「佐伯先輩、本当に布施先生は大丈夫なんですか~?」
と後輩が身を乗り出してきた。
「えっ?」
「女関係ですよ。
だってあの先生、すごくモテて若くて綺麗な子と付き合ってたって話もあるじゃないですか。しかも複数」
少し棘のある言葉に、裕子は「そうね」と息をついた。
でも、布施君は『全部整理したから』って一言だけ報告してくれた。
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