【旋 律】後編 第十五章

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  「佐伯先輩をとりあえず嫁において、自分はまだまだ裏で遊ぶつもりかもですよ」 露骨にそう告げた後輩に、 「ちょっとアンタなんてこと言うの?」 と同僚が怒ったような声を上げ、 「でも私は先輩のことを思ってぇ」 とワイワイ始めた二人に裕子は居たたまれずに席を立った。 「ごめん、ちょっとお手洗いに」 そう言ってオフィスを出て行った裕子の背中に、 「ちょっと言いすぎだって!」 と後輩を嗜める同僚の声が聞こえていた。  
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