【旋 律】後編 第十五章

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  裕子はそのまま女子トイレに入り、化粧直しをしようと鏡の前に立った。 鏡には、スタイリッシュなショートヘアに洗練されたスーツを身に纏った自分の姿が写っていた。 ちょっと前の自分は、まるで違う姿。 布施君と関わって自分はどんどん変わったんだ。 布施君の強引さに引っ張られて、それが嬉しくて浮かれるばかりだったけど、あの子が言ったように彼は本当に整理をしてくれたんだろうか? 私生活での寂しさを埋める為に家庭を作って、外では今まで通り遊ぶつもりだったりなんて……しないよね? そこまで思い、 何考えてるんだろ、あの子の言葉に惑わされたりして。 かぶりを振って口紅を塗りなおした。
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