【旋 律】後編 第十五章

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  気を取り直して女子トイレを出て、オフィスに向かうと、 「ちょっと出しなさいよ!」 とヒステリックな金切り声が耳に届き、『何事?』と裕子は目を開いた。 「どうしたの?」 と早足でオフィスに飛び込むと、そこにはモデルを思わせるスレンダーな美女が、 「だから早く出しなさいよ!佐伯裕子って女はどこよ!」 と目を向いて声を上げていた。 「わ、私ですけど?」 一体なんのクレームなんだろうとビクビクしながらもそう声を上げると、彼女は勢いよく振り返って、そのまま平手打ちをして来た。  
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