【旋 律】後編 第十五章

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  パァン、という音が響き、 「布施さんがあんたと結婚するから私と別れるって! 信じられない!アンタみたいな冴えない年増女を選ぶなんて!」 と叫んでワアアとその場に泣き崩れた。 叩かれた頬がズキズキと痛み、四方八方から好奇の目が向けられると共に、 「やだ、やっぱり布施さん、佐伯さん以外の女と付き合ってたのね」 「二股発覚? これで結婚話は破談になったりして?」 という囁き声が聞こえたが、皆の思惑とは裏腹、頬が痛むことも感じないほど、感激に胸が熱くなることを感じていた。 ……布施君、本当に本当に『整理』してくれてたんだ!
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