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布施は沈痛の面持ちで裕子を見下ろし、
「……嫌な思いさせて悪かったな。綺麗に整理つけたつもりだったんだけど、まさかお前にこんな風に迷惑かけるなんて」
と少し切なげにそう告げた。
「布施君……」
その姿に鼓動が強くなる。
「もういいよ。
たいしたことなかったんだから」
それに私は何より布施君が本当に『整理』してくれてたことが嬉しかったから。
「職場で恥をかかせもしただろ?」
すまなそうに目を細める布施に、
「そ、それは大丈夫」
恥をかかされたというより、何故か株も上がってしまったし。
と裕子は心で呟きながら、笑顔で布施を見上げた。
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