【旋 律】後編 第十五章

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  布施は沈痛の面持ちで裕子を見下ろし、 「……嫌な思いさせて悪かったな。綺麗に整理つけたつもりだったんだけど、まさかお前にこんな風に迷惑かけるなんて」 と少し切なげにそう告げた。 「布施君……」 その姿に鼓動が強くなる。 「もういいよ。 たいしたことなかったんだから」 それに私は何より布施君が本当に『整理』してくれてたことが嬉しかったから。 「職場で恥をかかせもしただろ?」 すまなそうに目を細める布施に、 「そ、それは大丈夫」 恥をかかされたというより、何故か株も上がってしまったし。 と裕子は心で呟きながら、笑顔で布施を見上げた。  
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