【旋 律】後編 第十五章

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  「今日はお詫びに何か美味いものご馳走するよ」 そう言って肩を抱いた布施に、裕子は「わあ」と目を輝かせた。 「焼鳥食べたかったのよね」 そう言った裕子に、 「焼鳥かよ」 と布施は吹き出した。 「い、いいじゃない、好きなんだから」 「それじゃあ、六本木の名店に」 「わざわざそんなところじゃなくていいのに」 「お詫びだからな。 本当に悪かったな、二度とこういうことがないようにするから」 そう言って強い眼差しを見せた布施に、裕子は頬が熱くなることを感じながら「うん」と頷いた。  
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