おわりとはじまり

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店内は美味しそうなおつまみとお酒のせいでキラキラ輝いて見える。 お腹はいっぱいのはずなのに、私は少しテンション高めでついつい買い過ぎた。 オシャレなビンがお気に入りのウォッカやラムを、シリーズで全種類買ってご機嫌になる。 実は私はお酒はそこまで強くない。 大が付くほどお酒を好きな私だが、無理やり飲んで強くなった…強がっていると言った感じ。 一方、碓氷はザルとまではいかないが、そこそこ私以上には飲める口だった。 私たちはガチャガチャと瓶を鳴らしながら、それほど歩かずして目的地に到着する。 社宅に着くと2人でじゃんけんをして、負けた碓氷の家の方で飲むことにした。 私は3階、その真下が碓氷の部屋だった。 初めてではないので気兼ねすることなく、男の割に綺麗すぎる部屋にズカズカと上がりこんだ。 私はもう潰れるギリギリまで気持ち良く酔うことを心に決め、今日は飲むぞー!と乾杯した。 勿論会話は盛り上がる、気も遣わない。最高の気分で飲み続けた。 たまに私の失恋をイジりながら、それとなく愚痴らせてくれる碓氷の誘導に気づく。 自然すぎる気遣いに気づいても、抗わず甘えさせてもらった。 最後には失恋話さえもギャグに出来るほど心が軽く、寂しさも喪失感もなくなっていた。 いつの間にかウトウトし始めた碓氷は自分のベットへ、『もーだめ』とか言いながら倒れこむ。 私も近くのソファからベットにもたれかかるように休む。 『もー少ししたら勝手に帰るから』と独り言のように碓氷に話しかけた。 返事はない。 そのことにもあまり気にも留めず、私は『少し』気だるさに任せて目を閉じた。 記憶があるのはそこまで。 次の瞬間私の顔のとなりには碓氷の顔があった。
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