おわりとはじまり

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…私も子供じゃない。もう27歳の大人の女だ。 この均衡はとてもとても微妙なもので、いつ崩れてもおかしくない。 だからこそ貴重な友人関係を保つのには礼儀がいるとわかっていた。 それが昨日も言ったけじめの問題。 お互いに好意はある。だから、何かの拍子に壊してしまわないように。 私たちは今のベストな状態を保つ努力をしなければいけない。 腕枕が気にかかった私は、昨日は少しやり過ぎたことに反省し、 男の部屋に2人はダメだったかな…と考えて、少し冷静になった頭を自分で小突いた。 その時、腕枕の事なんか何も知らない碓氷が目を開け、むくりと上体を起こした。 私は気まずくなることを避けるためベッドから降りると、散らかった部屋を簡単に片付け始めた。 しばらくすると、私に寝起きの間の抜けた声がかけられた。 「悪い…飲み過ぎていつの間にか寝ちゃったなー…。片付けサンキュー。」 一緒に朝までいた私を特に気にすることもなく自然にそう言った碓氷。 私は笑いながら首を横に振った。 「昨日はありがと!やっぱあんたサイコー!スッキリした。持つべきものは彼氏じゃない、友達だわ!」 と言い残し上階に帰って行った。 それに対し無言でサムアップをして見せた碓氷に、私は思わず吹き出してしまったのだった。
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