6人が本棚に入れています
本棚に追加
「それって何か関係ある?別に同僚と飲みに行くってことは変わらないじゃん。」
「まあそうだけど、見方によっちゃ彼女に誤解されないのかなって。お互い彼氏彼女がいて友達として飲みに行くのと、どっちかがフリーなのって見る側からすると違うんじゃないかと思うけどな。」
「そういうもん?まぁお前が俺を好きにならない限り大丈夫だよ。」
「は?なるわけないでしょ?もう酔ったの?」
「じゃ、いーじゃん。俺とお前に限ってねーよ。周りも知ってんだろ。
ていうか、そんな気にすんなら早く次の男を探せよ。」
「う、うるさい…!ていうか、いわゆる一般論よ。私だって真剣に良いのかなとは思ってない。けじめの問題だし!
それに何より碓氷と2人で飲むのは楽しいからやめたくない!」
「お、素直じゃん!俺も楽しい~なんだかんだ同期の中で一番気が合うもんな、俺ら!
お兄さん嬉しくなっちゃう、ほれほれお姉ちゃんお酒は足りてるかい?」
「お兄さんて…その発言おっさんだから。」
こんな他愛ない会話をしつつ食事もアルコールも進む。
気を遣わなくていい友人っていうのは男女関係なくいいもんだ。
碓氷との付き合いは2年程なのに、気が合い、女友達以上に何でも言い合える仲だった。
「で?」
いきなり姿勢を正し、こちらに向き直った碓氷が腕を組み直しながら会話を区切った。
「ん?なに?」
「なに?じゃねーよ。何で別れたの」
(話を戻すな。)
内心そんな風に思った。眉間にしわがよる。
「いーでしょ放っておいて。お酒がまずくなるわ。」
「なんで?聞かせてよ。」
碓氷は引かない。
「あんたって本当ドSだよね!だから私とぶつかるんだわ!」
「は?なにそれ。」
「だって私はM(マゾ)ではないもの!N(ニュートラル)だけど若干S(サド)より!
だから超ド級のSの言動にいちいち喜んであげられないの。」
「バカだなーまだまだ初心者だな立花は。そんなんだから彼氏に振られるんだよ。」
「?!何でそうなるのよ!間違った分析はしていないはずだけど…まさか私がMだとでも言いたいの?」
「違うよ。ていうかその言い方だと俺がドSなのは決定事項なのね…。」
「あたり前でしょ!」
「否定しないけど?」
最初のコメントを投稿しよう!