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「私のSM理論では、あんたがドSであることは揺るがぬ事実よ。」
「で、そのSM理論とやらに基づくと立花はちょいSなんでしょ?じゃあ相性抜群よ俺ら。」
「は?意味わかんない。何でそうなるのよ。」
「なんでって…。お前さー、ドSまっしぐらな人間がMの人間いじめて楽しいとか思ってるわけ?」
「…え、だってSはMを好むもんでしょ、逆も然りだとは思うけど。そうじゃなきゃ成り立たないじゃん。」
「んーこれは恋愛論をSとMで語るよりも、SとMの定義からかなー。
はい、じゃあ立花君!君の考えを言ってみたまえ!10秒以内に答えられなければ明日から職場には裸で来てもらう!」
「はい、碓氷鬼軍曹!Sはいじめたい・攻めたい・傷めつけたいの願望が強く、
Mは逆にいじめられたい・受け身でいたい・傷めつけられて嬉しいと思っている。が正解だと思います!」
「ふむ!悪くはない。しかしお仕置きのくだりが完全に無視されている!つっこみを忘れるなばかもの!
Mに関してはほとんど直すところなし!優秀だ、褒めてつかわす!」
「は!では軍曹の考えるSの定義を教えてください!」
頭が悪すぎる会話をこんなにも繰り広げたところで、周りの視線が気になりだしたのか碓氷が普通の話し方に戻った。
コホンと一つ咳払いをする。
こっちは恥ずかしい中のってあげたのに、途中で止められたら女の私はどうなるのか…。
散々くだらない会話で遊ばれた私は若干疲労感を覚えお酒を一気飲みした。
今日はただ酒だから、沢山飲んでおこうと心の中で細やかな復讐を誓う。
「…まぁ、これは俺の持論だけどね。つまり、俺のSM理論からするとS、特にドSはいじめること自体が好きなんじゃない。
いじめられて嫌がっている人を見るのが好きなんだ。」
「うん…?でもMの人はいじめられたいんだからむしろ喜ぶんじゃないの?ご褒美みたいな?」
「その通り!だから、ドSはMを食わない!…てのは言い過ぎだけどMを好まない!」
自信満々に言うことか…と碓氷の持論を聞きながら気恥かしさを隠せない私はお酒のスピードがとにかく上がる。
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