プロローグ

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クラリタ帝国 都市の近くにある森。 その森には通常、それほど強い魔物はいない。 その日、めったにない最高ランクの者が誰も居らず、二つ名持ちのSランク以上の者が少ない。 それを狙ったのか、魔物の大群が都市に向かっていることがわかった。 Xランクが早く来れるとしても、30分はかかる。 その為、Sランク以上の者が迎え撃つ事になった。 50人にも満たない為、石垣で囲まれた都市の門の前で待ち構えている。 魔物の迫る音が大きくなるように、その場にいる者達の緊張が高まっていった。 「ーーーー!!」 なんとも言えない声がした瞬間、森から魔物が姿を現した。 「ウソ…だろ。」 千を超える魔物の数だけならば、その場にいた者達も驚きはしなかった。 その魔物の全部がSランク以上の魔物でなければ… 千を超えるSランク以上の魔物に、50人も満たない数で勝つのは不可能に近い。 その為、全員はXランクの者が来るまでの時間稼ぎをすることにした。 時間まで持つかは、五分五分。 もし、一人でも倒れたら一気に全員倒される。 全員、必死に戦いながら少しずつ、魔物を倒していく。 15分が経つが、一向に数は減らない。 いや、減っているが数があまりにも多すぎるのだ。 全員の顔に疲労がだんだんと見えてくる。 一瞬でも気を抜けない戦い。 そんな時、隙を作ってしまったSランクの一人。 それを見逃さず、魔物がその者へ向かう。その者は、魔物に防御も間に合わない程に近づかれてさしまった。 「ッ…!!」 「氷華ーッ!!」 その場にいたすべての者が驚き、焦り、固まる。 襲われそうな者を呼ぶ者が手を伸ばすが、誰もが見て間に合わない。 氷華と呼ばれた者は、防ぐことも助けすら間に合わない状況に覚悟を決め、目を閉じる。 氷華の死が届く瞬間ー 『-黒き炎舞-』 どこからともなく、静かに響く高い声が聞こえたかと思うと、氷華を襲おうとした魔物が黒い炎に包まれ、灰と 化した。 それに続くように、ギルドの者達の近くにいた魔物達も一瞬で灰になっていった。 ,
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