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「待った? ごめんね! 道が混んでいたからさ、本当にごめん」 サラサラの透明感のある茶髪をかきあげながら、八重歯を見せる彼。その笑顔には、ついつい許してしまう。 「もう! 今日は何の日か分かってる? 敦志が場所を指定したんだから、時間くらい守ってよね!」 「分かってるよ。誕生日だろ……ほれ。これで許せ!」 敦志が目の前に差し出したのは一輪の薔薇の花だった。それを見た途端、不覚にもにやけてしまった。両手で優しくそれを受け取り、香りをそっと嗅いだ。 ――トルルルル……
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