プロポーズ

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 言われたとおり右へと爪先が向いた。連なるショップに目を這わせる。以前に、店の前を横切った記憶が微かに残っているようだ。 ここら辺じゃなかったか? ……在った在った、ここだ! 気に止めもしなかった店を覚えてるなんて、俺って本当に天才だな。 『ジュエリーショップツヅミ』チェーン店で有名なショップだ。ウインドウには、ダイヤモンドのネックレスや指輪、腕輪がなどが豪華に飾られていた。 ブラックのバックーボードで、透明感のある幾つもの光がより惹きたて、今まで見たことも無い輝きを放っていた。 確かに宝石って、目が奪われちゃうよなぁ。女の人って、どんな石が好きなんだろう? 女性にジュエリーをプレゼントするなんて、生まれて始めての経験だ。なんだかとっても緊張をする。 こわばった表情で店の入り口へと足を踏み込んだ。
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