プロポーズ

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「ローンにします。普段なら現金でぽーんとこのくらい出せるんですけどね、ちょっと今月は物入りで…… 月2万円くらいの返済で、組んで貰えますか?」 「かしこまりました。書類をお持ちしますね」 店員は今日一番の微笑を浮かべ、奥にいる従業員に指輪の包装を依頼した。年増の店員は、ローンを組む用紙を準備しているらしい。 月に2万の返済。それくらいならなんとかなるだろう。生活費を払っている訳でも無いし、苦しくなったら親父に頼もう。 あんなに素晴らしい指輪を眼にしたら、苺は飛び跳ねて喜び、キスぐらいはしてくれるかなぁ? この頼もしい体を抱きしめてくれるかなぁ?   妄想が広がり、ヨダレが出そうになった。
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