プロポーズ

5/30
前へ
/30ページ
次へ
「ちょっと、こっちへ来て」 ここじゃ人通りも激しい。そうでなくてもチラチラと見られているのに、会話まで盗み聞きはされたくない。 苺の白い細い腕を掴み、狭い路地へと引っ張った。 「痛い! 止めて! あんた出入り禁止になったんでしょ? もうウロチョロしないでよ!」 「君にこれを渡したかったんだ。ほら薔薇の花束だよ。嬉しいだろう? 俺と君は結婚する運命なんだ。 たいして稼げないあんな店を辞めて、家に永久就職しないか? 好きなだけメイドの格好は出来るし、お金の不自由もしない。 そして一生お前を守り抜く、ご主人様がついてくるんだぜ?」 「あんた、頭がおかしいんじゃないの?」
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加