プロポーズ

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境目が分からない腹と胸に、薔薇の花束がぶつけられ、トゲがチクリと刺さった。 綺麗な花は弾力のある身体から跳ね返り、アスファルトへと無残に落ちた。 「こんなもの要らないわよ! 仕事の邪魔なんだよ! こんな物!」 ヒールの高い、毒々しい赤い靴が花束を踏んづけ、花弁が黒く汚れた。まるで俺の心がけがれたようだった。 「苺、な、なにをするんだ! 君へのプレゼントだぞ? こ、これは何かの間違いだ!」 「は? 要らないし! 特にあんたからのプレゼントなんて、絶対に受け取らない! 邪魔よ。どいて! 貴方が現れないことがプレゼントよ!」 厚底でぐりぐりと、花びらや葉っぱを粉々に捻る。ぐしゃぐしゃっと、その度に音を立てた。あまりの苺の残酷さに、唇がプルプルと震える。 「こんなの、こんなの、嘘だ! 嘘だああああ!!!!」
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