プロポーズ

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俺は時間を潰す為に、秋葉原の町を思いを巡らせ、ふらついた。 ――パフュームへ行きたい。……駄目だ、また殴られる。苺に会いたい――駄目だ、我慢だ。 思いつく場所もなく、結局は他のメイド喫茶へ行くことにした。 辿り着いたのは、一度訪れた事のある、メイドダーツバー&カフェの『ROSE』だ。来店時のチャージ料金は500円。1プレイ100円、お手軽に遊べてリーズナブルだ。 なによりも今は、ストレスが溜まっている。全てを吐き出してしまいたかった。 ダーツボードに憎らしいあいつ等を思い浮かべる。パフュームの店長や、殴りつけた男達、オタクの客、コンビニの店長村山…… 報復したい感情が、ボードの表情をコロコロと変える。鋭い狂気の矢が何本も、何本も、的へと飛んだ。
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