第10話

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「お恥ずかしいんですけど、喫茶カチューシャという秋葉原にあるお店なんです。ここからは意外と近いですよ」 「ああ! 白いフリルの付いたカチューシャが、とっても可愛いお店ですよね!」 ――なんだよ! パフュームの目の前のお店じゃないか!  俺の運命は、いつだって狂わしく廻り、歯車が何ゆえに、噛み合わないんだろうか? 「私、お世話するのが大好きなんです。 今は治っているんですけど、母が半身不随で大きな事故に巻き込まれた事が遭ったんです。面倒を見ている内に、私の特技になりました! って変ですか?」 「いえ! とぉーっても可愛いです! 綺麗です!」 「というか……なんで信介、その店がフリルの可愛い店だって、知っているんだよ」 ――うっせーな、秋雄は。俺たちの美しい会話に入ってくるなよな。
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