第10話

14/33
前へ
/33ページ
次へ
「一度だけ……行った事があるんだよ。メイドさん好きだし――あ、変な意味じゃないんですよ。絵恋さん」 「信介、お前変態か?」 恥ずかしそうに俯く俺に、秋雄は追い討ちを掛けた。 「まぁまぁ、秋雄さん。秋葉原では、あの通りは有名なんですよ。特に向かいの喫茶パフュームは、メイドファンで溢れていたんですもの」 にっこり微笑み、俺を庇う絵恋さんは、やっぱり最高の女性だぁ! 「ファン? そっちのメイド喫茶は、『いらっしゃいませ~ご主人様』って挨拶するほうか?」 「兄貴は無知過ぎるんだよ」 「変態に言われたくないね!」 絵恋はなにも言わず、俺たち2人にワインを注いだ。自然に喧嘩を収める配慮も、完璧だった。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加